今年は梅雨があっという間に終わり、梅雨明けしたと思ったら連日記録的な酷暑となり車のエアコンもフル稼働しているのではないでしょうか?
そんな車のエアコンですが、定期的なメンテナンスを行っておくことで本来の“冷え”を感じることができ快適走行に繋がります。しかし、メンテナンスを行なっていないと本来の“冷え”を感じることができなくなり、最悪の場合はエアコンが全く効かないという状況に陥ってしまう可能性もあるのです。
実際にここ連日、「エアコンが冷えない」というお問い合わせをいただきます。もっと言うと、私たちが従事しているガソリンスタンドは毎年夏になるとこのようなお問い合わせやご来店が一気に増えます。そして車の状態を見てみると、ガス不足だったりエアコンの装置が作動していなかったりという状態になっていて、ユーザー様にお話をお伺いすると、ほとんどの方が「冷えていたからメンテナンスしてない」などと言う回答が多くあります。「冷えていればメンテナンスは必要ない」というのは一般的には当然の考えだと思いますが、車のエアコンは家庭用のエアコンとシステムが異なるのでガス自体のメンテナンスが必要になってきます。
カーエアコンシステム
そもそも、車のエアコンが作動して冷えるまでには幾つかの部品によって構成されており、そのエアコンシステム内をエアコンガスとエアコンオイルが循環して冷たい風を出しています。
そしてカーエアコンは家庭用のエアコンと比べ「振動」や「炎天下」などの過酷な条件下で使われているためいつの間にか少量のエアコンガスとエアコンオイルが抜けてしまいます。
さらに、現在主に使用されているエアコンガス(R134a)は以前のガス(R12)と比較して、吸水性が「20倍」、圧力が「1.1倍」と高く、システム内のサビや腐食・ガス漏れが起こりやすいと言われています。また、カーエアコンシステムの大敵な水分が混入すると効きを悪くしてしまいます。こういった原因により車のエアコンは冷えが悪くなったり全く冷えなくなったりしてしまうため定期的なメンテナンスが必要とされています。
カーエアコンメンテナンス
カーエアコンのメンテナンスとして最も有効とされるメンテナンス方法は「真空引き充填」です。
この時、真空にならなければどこかに漏れがあり大気を吸っている可能性があるので、このような場合はメンテナンスではなく修理または交換作業が必要となります。
実際にエアコンが冷えている状態の車でも真空引き充填を行い、機械のメーターの数値をみると、規定量の1/4~1/3ぐらいガスが減っていることが多く、真空引き充填後は明らかに冷えが変わっているのが実感できます。車種ごとの規定量はボンネットの裏側やエンジンルームに記載されていることがほとんどです。
「減っているならガスを補充するだけではダメなの?」と思われる方もいるのではないかと思いますが、決してダメってことではありません。しかし、単に補充するだけでは水分や汚れを取り除くことができないため100%の“冷え”を発揮することができません。それなので、本来のエアコン性能を発揮させるメンテナンス方法としては真空引き充填がおすすめなのです。
エアコンガスが適正量入ってるかどうかの確認は、機械を使用してガス圧を測定することで確認できます。さすがにご自身でガス圧を見るのは難しいと思いますので、給油のついでに無料で点検しておりますのでお気軽にお声掛けください。
また、冷えが悪くなる原因の一つとして、車の前方にあるラジエーターやコンデンサーといった部分に油汚れや夏場特有の虫の死骸のこびりつきが目立っていると冷却効果が悪くなりカーエアコンの“冷え”に影響してきます。それなので、ラジエーターやコンデンサーの洗浄をすることによって冷却パフォーマンスも向上し冷却効果も改善されます。
そのほかのメンテナンスとしてはエアコンフィルターの交換です。ホコリや虫などが付着していたり、長年交換していないとカビが発生することもあります。また、汚れ詰まりにより、風量低下の原因にもなるので1年または1万キロに1回の交換が推奨されています。
それから、よくご相談いただく内容として、「エアコンをつけると臭い」というお話があります。
軽度な場合はエアコンフィルターを交換することによって匂いが改善する場合がありますが、気になるほどの匂いがある場合は、エバポレーターという部品が匂いの根源になっていることがほとんどです。エバポレーターとは簡単にいうと、カーエアコンシステムで最終的に冷たい風を送り出す部分です。そのため、エバポレーターは外気との温度差によって結露ができ大量の水分が出ます。夏場にエンジンをかけエアコンを使用していると、車の下から水が垂れているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか?これこそがエバポレーターから排出されている水になりますが、エンジンを止めると水分は排出されなくなりエバポレーター内に水分が残ってしまいます。この水分の残留がカビを発生させ匂いの根源である生乾きのような匂いやカビ臭さとなってしまうのです。
対処法としては、エバポレーターを取り外して洗浄することが一番の解決策ですが、エバポレーターは容易に取り外せる位置にはないので費用が高くなってしまいます。ですが、取り外しを行わなくても簡易洗浄ができるケミカルもあり、ある程度の改善は期待できます。
そもそものカビを発生させない予防対策としては、エンジンを止める前に送風モードにして最大風量でしばらく稼働させておくか暖房をMAXにして稼働させて湿気を取り除く方法も効果的と言われています。また、夏場以外にも定期的にエアコンを試運転させたり、車内をキレイな状態に保つこともカビや雑菌の繁殖防止になります。
エアコンまわりを定期的にメンテナンスすることにより、カーエアコンシステムへの負担が減って結果的にエアコンの故障が減少しますので整備費用を抑えることにつながりますし夏場のカーライフも快適に過ごせますので、気になる方はご相談ください!