車を運転する際、必ず目にするフロントガラスですが、そのフロントガラスには数字の書かれた四角いシールと、同じく数字の書かれた丸いシールが貼られています。なんとなくはわかっているけど実際どんな意味なの?と思う方も中にはいるのではないでしょうか?

これは、定期的に受けなければならない車の検査、いわゆる「車検」と車の維持・走行には欠かせない「法定点検」の次回期日が記されているシールなのです。

一般的にフロントガラスの中央(ルームミラーの付け根のあたり)に貼られているものが車検シールです。表面には車検満了年月、裏面には車検満了日が記載してあります。

フロントガラスの左上に貼られているものが法定点検シールです。円の中央部分に次回の点検整備の年、中央部分を囲むようにある1〜12の数字が次回の点検整備の月を記載しています。

車検や法定点検の期限を忘れてしまい、期限が過ぎてしまったという事がないようにシールをチェックする癖をつけておくといいかもしれません。

そんな、車検と法定点検ですが「何が違うの?」と思われる方は少なくありません。それなので、その二つの違いをご紹介していきます。

車検

「車検」それは車を所有している大半の人がご存知の言葉だと思います。ですが言葉は知っていても「実際何をやってるのかわからない」「初めての車検で不安」と思っている方も多くいらっしゃいます。

車検は2年に1度(新車の場合は購入から3年、それ以降は2年)“必ず”受けなければいけません。公道を走行するすべての車に受けることが法令で義務づけられています。

インターネットなどで『車検』と検索すると、

車検とは「自動車登録制度」のことで、車が国の定めた保安基準に満たしているか定期的に検査するものです。

といったような内容のものが多くあります。ですが、正直漢字ばかりでわかりづらいですよね。簡単にお伝えすると、公道を走らせても良い車かどうかを見る検査が車検です。

では実際、どんな検査をするのかお伝えしていきます。

車検で行う8項目の検査

1 同一性確認
ナンバープレートの番号や車に打刻されている車台番号が車検証に記載されているものと同じものであるかを確認します。
2 外観検査
ヘッドライトやブレーキランプ等の灯火類
点灯の有無やレンズが割れていたり浸水していないか確認します。

・タイヤのナットやボルト
緩みがないか締めつけすぎてないか確認します。

・ドアミラー
大きな損傷やガタつき、ガラス面のヒビなどはないか確認します。

・ウィンドウォッシャー
液がきちんと出ているか、正常に動いているか確認します。

・ワイパー
正常に動いているか確認します。

・クラクション
クラクションの音は正常か、クラクション部分にホーンマークがあるか確認します。
3 サイドスリップ検査
車が真っ直ぐ走れるかどうか確認するためのものです。真っ直ぐに進んだ時、タイヤが横滑りしていないか確認します。
4 スピードメーター検査
スピードメーターの示す数値と実際に出ている速度の誤差が基準値以内であるかを確認します。
5 ヘッドライト検査
ヘッドライトの光量や光軸(光の向き、拡散度合い)が基準値以内であるか確認します。
6 ブレーキ検査
「フットブレーキ」と「パーキングブレーキ」2種類のブレーキがちゃんと効いているか確認します。パーキングブレーキの場合はブレーキを効かせた時に、後輪がロックされているか確認します。
7 排気ガス検査
車のマフラーから排出される排気ガスの中に含まれる有毒ガス(一酸化炭素と炭化水素)の濃度を確認します。
8 下回り検査
オイルなどの漏れがないか、ボルトの緩みがないか、ブーツ類(ゴム製のカバー)に破れやひび割れがないかを確認します。

このように車検では公道を走行するにあたり、周囲に危険を及ぼす可能性がないか、また、環境汚染につながる問題がないかという基準のもと検査を行います。

法定点検

法定点検とは事故や故障を未然に防ぐために点検・整備を行うものです。

法定点検は車検と同じく車の所有者に定期的に受けることが法令で義務づけられています。普通車及び軽自動車では、1年(12ヶ月)点検と2年(24ヶ月)点検があります。

1年(12ヶ月)点検

点検時期点検項目
1年毎26項目

2年(24ヶ月)点検

点検時期点検項目
2年毎56項目

車検から次回の車検までのサイクルとして、車検後1年が経過するタイミングで法定1年点検を行います。そこからさらに1年が経過すると車検の時期になるので、車検のタイミングで法定2年点検を行います。





※以前は6ヶ月点検も法令で義務づけられていましたが、現在では義務づけられてはいません。

このように車検の後の法定点検までの間には日頃の点検整備を行い、また2年後に車検というサイクルで点検整備を行う事でお車を良い状態で維持しながら長く乗り続けることができます。

車検と法定点検の違い

車検は上記でお伝えしましたが、国が定めた基準を満たしているか定期的に検査するものであり、基準を満たしていれば合格することができますが、次回の車検までの安全性を保障されるわけではありません。一般的に車検と法定点検を同時に行うことが多いので、違いが曖昧になり同じものと考える方がいらっしゃいますが、目的が異なります。

車検では車検の内容でお伝えした項目の検査しか行いません。車検とは点検・整備ではなく検査です。車は乗っていれば不具合や故障がつきものですが、走行性能を維持するためには車検だけでは不十分なことがほとんどです。車検では見ない部分を定期的に点検・整備をするのが法定点検であり、故障やトラブルの恐れがある箇所を事前に点検・整備を行うことで事故や故障を未然に防ぐことができるのです。それなので車検、法定点検には大きな違いがありますが、どちらも車を安全に運転するためには必要不可欠です。

法定点検は受けることが義務づけられていますが、車検とは違い期限を過ぎたからといって罰金や免許の点数が加算されるような罰則はありません。ですが車の状態や走行性能を維持するためには必要なことなので、必ず受けるようにしましょう!

点検実施後、必ず整備記録簿というものが発行されます。この整備記録簿は点検を実施した証にもなり、毎年欠かさず点検を受けていれば「この車はしっかりと点検整備を行っている車」と判断され、車の査定の減額を防げます。

車検や法定点検以外でも車は日頃からのメンテナンスが必要になります。壊れる前に、不具合が出る前に、早めの行動が車を安心・快適に運転することにつながります。

当社は、国家整備士資格をもったスタッフが車検から日頃のメンテナンスまで行っています。また、車検のお見積りは無料で行っていますのでお気軽にご相談ください。